唯一無二！キョン革の魅力

　キョン革特有の柔らかさ・滑らかさは、まるで赤ちゃんの肌のよう。初めて触れる方はみな驚かれます。ずっと手に取っていたくなる触り心地です。天然のキョン革を惜しみなく使った、贅沢な名刺入れができました。
　手触りだけだけでなく、機能性もばっちり。内に2つ、外に1つポケットがついており、マチもしっかりついているので、使いやすさも申し分ありません。

"キョン"ってどんな動物？

　あまり馴染みのない方も多い”キョン”、いったいどんな動物なのでしょう？
キョンはもともと中国南東部や台湾に分布するシカの一種です。大きさはニホンジカよりもずいぶん小さく、中型犬ぐらいの大きさです。
　科学館としては、キョンがどんな生物かにも注目していただきたいところ。そこで、表面にキョンのイラストモチーフを入れました。全身・顔・横顔の3種類からお選びいただけます。

害獣として駆除されている現状

　ここまで読んでいただくと、キョンが中国南東部や台湾原産の動物であるにもかかわらず、本製品が「国産の天然キョン革」で作られたことに、違和感を覚える方もいらっしゃるのではないのでしょうか。
　キョンはもともと日本には生息しておらず、現在は東京都の伊豆大島と千葉県の房総半島にのみ分布しています。もともと動物園で飼育されていたキョンが脱走し、野生化した「特定外来生物」です。
　現在、同地域ではキョンが爆発的に増加し、人間生活への被害や生態系への影響が懸念されています。そのため、キョンは「害獣」として駆除されています。

科学館が名刺入れを作ったわけ

　駆除されたキョンの多くは、廃棄処分されています。一方で、キョンの急増に対し駆除が追いつかず獣害が深刻化している現状もあります。
　人間の都合で殺されてしまった命を活かしたい、その背景にある獣害という課題をより多くの方に自分事として捉えてほしい。
そんな思いから、私たちはキョンの皮や骨を活用するプロジェクトを進めています。

革にふれ、キョンという生き物にふれ、そして獣害にふれる

　野生動物による獣害を減らすためには、人間と野生動物の生活圏の線引きをしっかりと行うひとりひとりの意識が不可欠です。
　キョン革の魅力にふれ、キョンという生物にふれ、そしてその背景にある課題にふれ…。この名刺入れが、獣害について知り考えるきっかけになり、次なる行動や周りの方々への認知の拡大に繋がれば幸いです。

honneki×Exedraのコラボ開発製品！

　名刺入れの作成は革工房 honnekiさんにお願いしました。キョンのイラストは一つずつ手描きされています。キョンがどのような生物か、よりリアルにお伝えできるよう、何度も修正を重ねながらイラストを描いていただきました。両者のこだわりが詰まったコラボ製品ができあがりました。

革工房 honneki＜ホンネキ＞
【Webページ】https://honneki.com/
【Twitter/Instagram】@honneki_87

私たちの活動と想いを伝える動画を作成しました

　害獣として駆除された野生動物の革を活用し、製品の他、教材の開発も行っております。
　私たちと、ご協力いただいている方々の想いを伝える動画を作成しました。ぜひご覧ください。
「あらためて問う、野生動物との向き合い方」